押し入れの中を調湿するということ |
なぜ、押し入れなど収納内部は湿気がひどくカビが発生しやすいのかというと、収納するもの(布団、衣類)がそもそも湿気を含んでいることや狭いスペースで空気がよどむということもありますが、収納内部の温度は室内の温度より低めになるので、飽和水蒸気量が下がり相対湿度が高くなる環境にあるからです。
湿気対策として「湿気取り」を置くケースが多いと思いますが、これは根本的な解決ではないんです。
収納を常に開けっ放しにすればいいのですが、そうはいかない。せめて定期的に建具を開けて通気させるのが有効手段ですが、飽和水蒸気量は、空気が暖かくなると大きくなり、冷たくなると小さくなるので、相対湿度は、気温の高い日中は低く、気温の低い夜間は高くなる。狭いスペースの収納内部は、刻々と変化する相対湿度の影響を大きく受けてしまいます。
そこで重要なのが、調湿です。
相対湿度の変化を調湿することにより和らげる。これが、湿気がひどくならない環境にしてくれるのです。
フジモクは、布団を入れる押し入れや衣類を入れるクローゼットの壁には、杉のムク板を張っています。
以前、桐のハギ板を使ったこともあるのですが、中国産の桐と比べて国産の杉の調湿性能は勝るとも劣らず、反りや割れなども起きにくいので、今は国産杉一本です。
その他の物入れやコストパフォーマンスを追求した「ココロシリーズ」の収納は「シナ合板」です。合板であっても木の調湿性能はある程度持っていますし、表面の素材としてはラワンよりシナでしょう。
きれいに仕上げようとして、わざわざプリント合板張りやビニールクロス貼りにするなど、以ての外。”理”に適った性能を追求すべきです。
1軒目は、杉のムク板を張った収納。
建具もムク材です。
2軒目は、ココロシリーズの物件で、クローゼット内部はシナ合板です。