日本の木材自給率が上昇~富士山麓の森林の実情 |
その模様は「しずおかMOKUネット」のブログでご確認いただくとして、その後の交流会での話題は、林業家の皆さんと富士山麓の森林の実情について。
日本の木材自給率は、1955年には94%もあったが2006年には20%にまで低下。食料自給率の低下と同じように価格が安く供給体制を整えた外国材の輸入が原因だったが、最近は徐々に自給率が上昇しており、一時期の20%未満から25%程度まで回復してきている。
ただし、相変わらずの低価格で現状は厳しく、県内の需要もまだまだ低調なため、富士山麓のスギ・ヒノキの丸太は県外(隣の山梨県や四国など)へ流れているとのこと。
それでも「長期優良住宅」に関する法律に国産材の利用が盛り込まれたこともあり、安定供給という視点も踏まえた林業家から地元製材所への直納体制や、「トレーサビリティ」が可能な供給体制も森林認証ありきではなく、地元林業家の森林から出来ないだろうか・・・など、いろいろ考えてしまいます。
林業家の話では、森林認証への取り組みを進めるも、認証制度自体の信頼性やそれに伴いFSC、PEFC、SGECのどれを選択するか苦慮する部分もあり、今の需要では、森林を観光資源とした取り組みを先行しているそうで、次の「しずおかMOKUネット」の定例会は、富士山麓の観光資源としての森林視察となると、それはそれで楽しみではあります(笑)。
国内の3森林認証制度の比較評価(FSC・PEFC・SGEC)
今回交流したしずおかMOKUネットメンバー。
左から加藤工務店加藤さん、和田製材和田さん、自由工房石田さん、林業家遠藤さん、青野製材所青野さん、林業家片平さん、林業家竹川さん、駿河工房今井さん、そして私。
シャッターを押していただいた県の早津さんは「しずおかMOKUネット」の方に写ってますのでよろしく(^_^;。
理由は、丸太輸出税引き上げによる国産材への原料転換が進んだ北洋材や、違法伐採問題で供給量が著しく低下した南洋材の減少。
さらに、合板(ベニヤ)は、あるメーカーによると、国産材比率を去年の6割から8割前後に高める計画(国内有数の規模を誇る石川県の林ベニヤ産業七尾工場)。
理由は、森林組合の協力もあって、現状では北洋材(ロシア産材)より安く、輸送コストも削減できるので、結果的にCO2削減という環境負荷の軽減にも寄与するから。
ロシア政府による今年1月の原木輸出関税率80%化(世界的な需要急減で先送り)が実施されれば「国産材100%化」も念頭に置いていたというから、ものすごい勢いで国産材へのシフトが進んでいる事実も見逃せません。
フジモクの木材部で扱っている梱包用材も、北米の米松・米ツガやチリ・NZのラジアータパインから、北海道産のカラ松・エゾ松、九州・四国産の杉などにシフトしてきていますからね。
・・・と、とりとめのない、木材屋としてのつぶやきでした・・・m(_ _;m。
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